プロパンガスの特徴について

生活

●プロパンガスとは

プロパンガスは、プロパンやブタンが主成分の液化石油ガスであり空気よりも重く、硫化物などの含有はほとんどないため燃焼時には二酸化炭素と水が発生するだけであり有害物質の発生が少ないです。

発熱量は1立方メートル当たり2万4千キロカロリーです。
国内での用途は40パーセントが家庭用と業務用で、残りを工業用や自動車用が占めていて、近年は空調用にコンプレッサー駆動のためのガスエンジンの動力として用途が増えています。

空調用途では、家庭用だけでなく大空間を保有する建物である店舗や工場や公共施設での利用の伸びが顕著です。
同様に燃焼を主な目的とするガスに都市ガスがあります。

都市ガスはメタンが主成分の液化天然ガスであり空気よりも軽く、硫化物の含有はほとんどないので燃焼時の有害物質の発生が少ないです。
発熱量は1立方メートル当たり1万1千キロカロリーです。

プロパンと同様に海外からの輸入が大多数を占めていて、常温では気体であるガスを圧縮し液体にしたり冷却するなどして体積を減らして船で運搬します。
用途は家庭用・業務用と工業用・空調用に加えて、ガスコージェネレーションや家庭用燃料電池にも利用されています。

●都市ガス利用に切り替える世帯が年々増えている

ガスコージェネレーションは、ガス発電機から発生される熱を給湯や空調に再利用することで有効活用するものです。
従来は放出しているだけであった発電機からの熱を用いてボイラーや冷暖房機の運転を補完する設備です。

家庭用燃料電池は、都市ガスから水素を取り出して空気中の酸素と反応させ電気を発生させる設備です。
普及の比率は国内では、都市ガスが60パーセントでプロパンガスが40パーセントで、都市部では都市ガスの普及率が高くて地方ではプロパンガスが高い傾向が見られます。

都市ガス本管の布設の拡大によって、都市ガス利用に切り替える世帯が年々増えています。
ガスを新規で導入する場合は、プロパンボンベを設置するだけで需給可能になるのに対し、都市ガスではガス本管が整備されていないと需給ができません。

近くにガス管があればガス会社の供給義務により管の延長ができますが、供給エリア外では本管の引き伸ばし工事の対応は不可能です。
ガスの供給会社は、プロパンガスでは需給者の居住する地域の複数の業者から選択することができます。

●電力の小売全面自由化がスタート

平成28年に家庭用の電気において小売全面自由化がスタートし、電力会社を選択することが可能になりました。
各種のセット割引やポイント制度や時間帯割り引きなど、電力供給会社が提唱する料金メニューの中から自分の生活スタイルに合わせたものを選んで契約できます。

同様に都市ガスでも平成29年から小売全面自由化が始まり、電気と同様に生活スタイルに合わせた料金プランやセット割り引きの選択ができるようになりました。

電気でもガスでも、小売自由化解禁と同時に新規参入の事業者が増えましたので、今後さらにお得なメニューが出てくることが予想されます。
一般的には、都市ガスの料金はプロパンの65パーセント程度であるとされていますが、小売自由化による料金体系の見直しや各種セット割り引きの活用によってはさらに安価になる可能性があります。

●都市ガスでは復旧まで約1ヶ月程かかってしまう例が多い

地震など大規模災害が発生すると、家庭用の個別メーターが地震の揺れを感知してガスの遮断を自動的に行います。
プロパンでは個別メーターのみが自動閉栓しますが、都市ガスの場合は個別のメーターだけでなく、周辺地域へ一括供給するガバナーや供給源のガスタンクのバルブも地震波検知後に自動的に閉じます。

バルブの開栓は地震発生後すぐには行われません。
これは、国内に埋設されているガス本管の全てが耐震仕様でないことに加えて、地震の影響で管が損傷していないかの確認と、全ての需給家庭で屋内ガス管の破損状況を確認をしてからでないと供給が再開できないからです。

プロパンの供給再開は屋内ガス管の破損がなければすぐに再開できますが、都市ガスでは約1ヶ月程かかってしまう例が多いです。
これは、公共下水道と浄化槽との比較とよく似ています。

地震発生後、浄化槽であるならば屋内排水管や浄化槽の損傷がなくて断水が解消すればすぐに使用再開ができますが、公共下水道では、下水本管と下水道処理場機器の損傷の確認完了まで再開を待たなければならないです。

●まとめ

プロパンガス設備は液化石油ガス法などで、都市ガス設備はガス事業法などにより、供給者と需給者それぞれに対して施工と運用方法が細かく規定されています。

ガスを使用する需給者の屋内ガス管については供給者であるガス会社が検査しないと供給できないことはその一例です。

ガス漏れ警報器にも規定があり、プロパンは空気よりも重いので室内に漏洩した場合は床面に滞留し、ガス漏れ警報器は床面から30センチメートル以内で燃焼器具から4メートル以内の位置に設置する必要があり、都市ガスは空気よりも軽いので漏洩すると天上面に滞留するので、警報器は天井面から30センチメートル以内で燃焼器具から8メートル以内の位置に設置する必要があります。

プロパンガスと都市ガスは利点と欠点があるので、選択の際にはこれらの点を総合的に判断することになります。

 

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